終恋-イルカ

あてもなく電車に揺られて

気づくとまたひとりここにいる

花屋の角を曲がるとすぐに

あなたと暮らした部屋がある

SLのレコード聴きながら

ふたりで夢の中旅にでた

あなたの背中につかまりながら

本当は時間を止めたかった

灯りのともった二階の窓に

あなたの影がなつかしい

元気そうね 幸せそうね

誰かの影が寄りそう

来なければよかった

もうすべてが届かない

最終電車は出て行ったわ

私ひとりを残して

蒼白いレールのその上を

はだしで泣きながら歩いてた

カカトのとれた靴は哀しい

あの日に戻れるはずもない

涙にかすんだ記憶の中で

あなたは今もほほえむわ

やさしすぎたわ 幸せだったわ

あなたをきらいになりたい

来なければよかった

もうすべてが届かない

最終電車は出て行ったわ

私ひとりを残して

戻りたかった せめてもう一度

抱かれたかった その胸に

あなたがきっと悔やむほどの

女(ひと)になって見せるわ

始発電車はいつ来るのだろう

凍える私は歩けない

発売日:1994-11-21

歌手:イルカ

作詞:中村ブン

作曲:三木たかし