塗り壁-陰陽座

旅路を行くは一方(ひとかた)の

畏(おそ)れを知らぬ剛(ごう)の者

七分(しちぶ)過ぎたるその刹那(せつな)

見る目適わぬ 巨大な壁が

上を下へと取り乱し

途方に暮れて立ち尽くす

明日(あす)の宵には山越えて

邑君(むらきみ)の許(もと)着かねばならぬ

嗚呼 繋ぎ止めた明日(あす)が

音もなく遠ざかり

繰り返す遺響(いきょう)の囁(ささや)き

想いは潰(つい)えたと泣くより

この身が朽(く)ちる際(きわ)まで 弛(たゆ)みなかれ

忌々(いまいま)しくもとぼとぼと

兵(つわもの)どもが夢の跡

諦むことも口惜(くちお)しく

持ちたる杖で裾野(すその)を掃(はら)う

信じ難(がた)きやおとろしや

何時(いつ)しか壁は消え入らむ

八方の手を尽くさねば

答えは出せぬ此の世はをかし

嗚呼 咎認(とがみと)めたはずが

声もなく立ち竦(すく)み

蒸し返す回向(えこう)の呟き

想いは潰(つい)えたと泣くより

この身が朽(く)ちる際(きわ)まで 弛(たゆ)みなく

想いは潰(つい)えたと泣くより

この身が朽(く)ちる際(きわ)まで 弛(たゆ)みなかれ

発売日:2004-01-07

歌手:陰陽座

作詞:瞬火

作曲:瞬火