メトロの朝-辛島美登里

蛇口を関けた地下鉄 オフィスヘ注ぐ

シグナル ねぼけまなこに「ス・ス・メ」と告(い)うの

キャリアを積んで 仕事を続けるだけで

「クールでタフな女」と呼ばれてしまう

昨日 突然 ロビーで誘われた その時

打ち合わせでもするように 手帳に予定入れたけど

あなたが好きだった

私に気づく ずっと前から

その横顔 その背中をみていた……

たたみかける毎日

朝がやさしくなったのは

ビルの迷路にみつけた 私だけの元気

今なら 恋に本気になれる気がする

今さら 恋に失敗するのも怖い

デートの時まで 仕切ったり 気を回しすぎたり

大事な時に限って 自分がうまく出せないの

あなたが好きだった

エレベーターに そっとまぎれて

その風邪声 その吐息もきいてた……

やりきれない その時(ひ)を

一緒にくぐりぬけること

何もできない 私のあなたへ贈る元気

あなたが好きだった

私に気づく ずっと前から

その横顔 その背中をみていた……

みえない運命(いと)に抱かれ

この都会(まち)は支えられてる

心が触れる予感は 明日からの元気

発売日:1995-02-22

歌手:辛島美登里

作詞:辛島美登里

作曲:辛島美登里