鼻たれは考えていた 小さなちんこの先っちょで触れてみる美しさ まだ名前さえないもの かみさまがそばにいて めらめらや ざぁざぁや びゅうっという ぼくがみたうつくしさ そのすべてについて お前はなんだと問うても めらめらざぁざぁびゅうっというばかり もう一度訊ねてみると 好きに名前をつけろという そして世界はいっせいに ぼくをとりかこみ言った 「うつくしさ、うつくしさにどうぞ名前を」と 薔薇の枝にある兆し ところでぼくはなにものか わたしはなんだと問えば、誰かに呼んでもらえという 若者は旅にでた 土を踏み夜を越えて 火や水や風をつれ 染まる森を見た 幾度も そうしてある美しい 美しいある朝に 美しい長い髪の娘と出会った 一つの灯りを頼りに 捧げあう互いのもちもの むさぼるように 幾度も幾度も呼び交わすその名前 なんというか、光 あるいは愛の詞か うつくしい うつくしい うつくしいその名前 黄金の歳月の中 その一瞬の庭に咲く薔薇 今ははっきりとわかる すべては愛だと なんというか、光 あるいは愛の詞か 美しく 懐かしく 愛おしく時は流れる 黄金の歳月の中 その一瞬の庭に咲く薔薇 そしてまた名前などない場所へと還るだろう そうなるだろう そうなるだろう
誰かが今涙を飲み込んでいる。 力が伴う 悪意振り解いて 耳は聞こえちゃいない だが勇者は今 力はいらない 身に任せて 小さなこの手は今 愛してしまった 全部 降りかかった呪いも 全部 もう 愛してしまった思いを 全部 守れるほどの光を どこからか また悲しみが飛び交っている。 失って、また失って、膝を突き 息をしている。 それは 涙と対になって 悲しみが力となって 愛しさが何かを壊していく そこは 涙と対になって 滾りが溢れかえって この全てを背負った手は 愛してしまった 全部 降りかかった呪いも 全部 もう 愛してしまった思いを 全部 守れるほどの光を 誰もが求めた剣は 錆だらけで使えなかった この誰かが残してった鈍が、 闇を裂いてしまう前に 愛してしまった 全部 降りかかった呪いも 全部 もう 愛してしまった思いを 全部 守れるほどの光を 力が伴う 悪意振り解いて 耳は聞こえちゃいない だが勇者は今 力はいらない 身に任せて カゲは迫る 「お前はなんだ」と