ゼンマイ-tacica

ビルの威勢で

大好物の胸を焼く様な

夕日も覗かなかったり

他人が手にした

半透明の喜びの前で

急に立ち止まったり

僕の鼓動を報せたいだけ

街の色を忘れないうちに

傷を隠して成功なんだ

気付かれたって失敗なんて云わないのに

出来損ないのゼンマイ

宙に浮く筈のない未来は嫌いになったの

キミの鼓動を報せたいだけ

街の匂い忘れないうちに

世界が今 全力で吐き出すは

息を切らした希望

右の頬を打って笑った

風は何℃だって良いの

汚した眼のヒーローも躓いた

孤独を知ってしまった

部屋の隅で好機を待って

痺れていた足をそっと突き出そうと

合わせた手に企んでいた未来の

自分じゃない今日も

夜が何時も通り無言で

走る高架下の温度を

この狡いままの感動でも地面を

叩く鼓動は続いた

腫れ上がった瞼じゃないと

見間違えたのさ 僕も

綺麗な眼のヒーローが頷いた

命を知ってしまった

踊れない世界も回して

また理由を見付け出すさ

夜明け前に

発売日:2008-10-01

歌手:tacica

作詞:猪狩翔一

作曲:猪狩翔一