最後のバレンタイン-西脇唯

一緒にいたいと 誰よりも思った

きりのない“大好き”をかかえながら うれしかった

やさしげな2月の 街並みがさざめく

小さめの箱を買う そっと二粒 ビターチョコレート

キスをしなくなる 抱きしめなくなる 手をつながなくなる

あたりさわりのない会話だけで 毎日が過ぎてゆく

最後の最後の最後のバレンタイン あなたの気持ちは彼女へ急いでる

そのうち上手なウソもつけなくて

「わかってくれよ」って顔をするんだ あなたらしく せつなく

合鍵はやっぱり どうしても使えない

ドアの前 ポストには 入りきらない リボンが揺れる

“真夜中の電話”“絵ハガキの名前”彼女の分身が

あなたの部屋の中 ふえつづけてる 気づいても守れない

最後の最後の最後の約束 会いたさをぐっとこらえてここにいる

待ち合わせしてるカフェの窓際で

あなたは時計を気にしているはず たぶん今頃……

遅れてゆくのは ささやかな抵抗

あなたはあたしを どのくらい待つんだろう

最後の最後の最後のバレンタイン あなたの気持ちは彼女へ急いでる

そのうち上手なウソもつけなくて

「わかってくれよ」って顔をするんだ あなたらしく

最後の最後の最後の約束 寂しさをぐっとこらえて歩きだす

どうしようもなく好きになっちゃって

「仕方がないな」ってきっと言うんだ あたしが先に もうすぐ……

発売日:1996-12-21

歌手:西脇唯

作詞:西脇唯

作曲:西脇唯