白いレースの日傘-吉田拓郎

きみが波と遊んでるのを

ねころびながら、ぼくは見ている

長い波が膝まで寄せるので

きみは声をあげ、転びそうになる

ふたりの夏がもう、帰ってこないことを

ぼくらは知ってる、秋がおだやかなことも

もしも、求めなければ

きみの白いレースの日傘

まわしてみれば、フリルが揺れる

てれくさいけど、なぜか暖かく

傘の中には若いきみがいる

ふたりの暮らし、あの心にひそむことも

すべてを知ってる、秋がやすらかなことも

そうさ、ゆずりあえれば

鳥の形、翼ひろげて

飛び立つしぐさで、きみが誘う

ぼくは靴と靴下、脱ぎすてて

ふたりの影だけ、夏に歩き出す

陽射しを浴びながら、日傘が風に揺れる

ふたりの影と空、日傘が風に揺れる

ぼくらは思い出たちを、語り出すのさ

そうさ、夏のことばで

発売日:2003-03-26

歌手:吉田拓郎

作詞:岡本おさみ

作曲:吉田拓郎