窓-谷山浩子

教室の窓から見る秋は

いつも不思議に光ってた

北向きの窓のすりガラス

ギリシャの海も見えた

思い出せばもう夢の中

午後の陽射しにまどろめば

遠いアコーディオンのすすり泣く

光と影の世界

やさしい時代を置き去りに

やがて街へとび出した僕には

教室の窓がもう見えない

夢の行き場がどこにもない

授業をひとりでぬけ出して

空き部屋の窓から空を見た

幾億年もの時の彼方

空翔ける船を見た

思い出せばもう夢の中

一枚の窓のそのむこうに

見知らぬあしたがふるえていた

きらめきふるえていた

いくつも街を歩くうちに

いつか外の世界は狭くなる

教室の窓がもう見えない

夢の行き場がどこにもない

やさしい時代を置き去りに

やがて街へとび出した僕には

教室の窓がもう見えない

夢の行き場がどこにもない

夢の行き場がどこにもない

発売日:1990-11-14

歌手:谷山浩子

作詞:谷山浩子

作曲:谷山浩子