冷たい雨が降っている-吉田拓郎

冷たい雨が降っている

冷たい雨が降っている

指をふるわせ 髪を氷らせ

冷たい雨が降っている

どの位歩いただろう

海岸線の縁取りを背に

夏色の船が岬へ沈むのを

君と見たよね

好きでも無いし嫌いでも無い

ぼくたち 見知らぬ他人のようだ

ねぇ 貝殻になりたいね

海の深くで眠りたい

殻が守ってくれるだろう

ねぇ 貝殻になりたいね

君は少女の詩

ぼくのひざには男の詩集

君は言葉のナイフを深々と

胸に刺したね

好きでも無いし嫌いでも無い

心が痛いよ 楽にしてくれ

9月の海に雨が降る

波と雨とが入れ替わり

空と海とが溶けあって

9月の海に雨が降る

ぼくがいまこのまま

荒れくるう海に抜き手きったら

君はこのボート小屋から「素敵よ」って

声をかけてよ

好きでも無いし嫌いでも無い

フルだけフリなよ フラれてやるさ

冷たい雨が降っている

冷たい雨が降っている

この世界中 びしょぬれにして

冷たい雨が降っている

発売日:2006-04-05

歌手:吉田拓郎

作詞:松本隆

作曲:吉田拓郎