春蚕-ALI PROJECT

捧ぐ贄は ただひとつの戀

わが心 血に染む 紫の

さあ玻璃に閉じ込めなさい

きずを飾り

曇っていく世界で

もがいてあげる

ひと春を生き抜いて

ひと夏を絶え絶えに

厭かずまた目覚め落ち

水玉の嗚咽から

訪なう指はすべて

あなたとして受け入れ

浮き上がる喉元に

贖罪の痣の亀裂剥ぐ

塞ぐ繭は 踊る影抱いて

上弦の月下 爪は染む 紅ゐに

見えない針 背中を貫き

動けませぬ

ただあなたを此処から

見上げる為と

幾雫を迎えて

幾片を飲み乾して

何度でも繰り返す

白濁の嘔吐から

あまく曳く糸を繰り

天舞う如地を這い

擦り歩く足元に

桎梏の縄の痕摩れる

ひと春を生き抜いて

ひと冬に凍り死す

そしてまた生まれ落ち

白濁の嘔吐から

あまく曳く糸を繰り

天舞う如地を這い

擦り歩く肘膝に

桎梏の縄の痕涸れる

絹の絲で縊りたくば

願わくは汚れぬ殻のなか

煮えよ燃えよ

ただひとかけ

残りしがわが魂

発売日:2007-04-04

歌手:ALI PROJECT

作詞:宝野アリカ

作曲:片倉三起也