帰郷~いまでもクスノキの下で-西田あい

10年ぶりの駅には

いまも花の匂い

面影がまだ 残った仲間

迎えに来てくれた

訃報(しらせ)を聞いた街角

君の声がしたよ

帰れる場所を 遠ざけていた

心の片隅で

その道は 帰り道

あの日へ 続く

忘れたふりをしてたんだ

仕舞っておいた たからもの

いまでも クスノキの下で

風の音を 見つめていた

私たちがいる

かすんだ写真そのまま

そこで止まる時間

君と歩いた 夕暮れの土手

夢だけ覚めていた

連絡くらいできたね

仕事のせいにしてた

すぐに逢えると 思ってたけど

季節は早く行く

どの空も 同じ空

あの日へ 続く

都会のどこか捨てたんだ

ひとつきりの 思い出も

いまなら 自転車のペダル

漕げるような 気がしてるよ

坂道の向こう

ありがとう 君に言いたくて

見送る雲 手を振りました

いまでも クスノキの下で

風の音は 見えるでしょう

君と見たように

発売日:2020-03-04

歌手:西田あい

作詞:林哲司

作曲:松井五郎