新宿を語る 冬-仲井戸麗市

西口バスターミナル 乾いた空に冬が舞う

ホテルの電光クリスマスツリー 雪の休暇を唄ってる

北風に負けた レインコート

それでも 骨まで凍る程でもない

“全部洗いおとせる雨でも降らないか”って

君が言った

ジングルベルのアーケード ラッシュの人波で暖をとる

地下鉄のメロディにさえ市民権

そんなはずじゃないだろうビートルズ

家路辿り疲れた古い皮靴

それでも 履き捨てる程にはボロでもない

“半端な白夜を突き破る炎の柱立てばいい”って

君が言った

ネオンの花園デコレーション ヤクザの裏道にもR&R

コーヒーの香りにつられても 閑古鳥とばしたコルトレーン

誘惑の華なら よりどりみどり

それでも 真っ赤に染まる程でもない

“敷きつめられた路上の石畳飛びかえばいい”って

君が言った

戦い済んで陽が暮れて ビルの谷間にも除夜の鐘

テロルの季節の足音が 夜明けの舗道に蹲<うずくま>る

素顔を忘れたこの街

それでも 愛しい寝顔さらしてる

“眠れる夜を覚えたら その日この街の灯が消える”って

誰か言った..........

西口バスターミナル 乾いた空に冬が舞う

小田急ハルクの電光クリスマスツリー 雪の休暇をはしゃいでる

発売日:1993-02-03

歌手:仲井戸麗市

作詞:仲井戸麗市

作曲:仲井戸麗市