野暮-八代亜紀

軒の提燈(ちょうちん) 灯ともし頃に

沖の匂いを プンプンさせて

髭はいつ剃る あしたの朝か

それとも私を 抱く前か

酒は強いが はしゃぎはしない

愛敬者では ないけれど

嘘をつかない 野暮さが好きで

私 いそいそ 店じまい

障子あければ 港が見える

漁に出る船 エンジンふかす

たまの休みは 鯨のように

大きな鼾を かくもよい

腕の力は 死ぬほど強く

やさしい感じじゃ ないけれど

妙にまじめな ウブさに魅(ひ)かれ

私 世話やく ふりをする

眠れないなら はやばや起きて

ふたりそろって 朝市めぐり

下駄の音など カラコロさせて

両手に蟹など ぶら下げる

もっと器用に 愛する人は

他にも大勢 いるけれど

なぜかあんたが 安心出来て

私 すっかり いい気持ち

発売日:1989-12-10

歌手:八代亜紀

作詞:浜圭介

作曲:阿久悠