カフカの城-ORIGINAL LOVE

信号をいくつ曲がっても

ハンドルを何度きっても

行きつかないどこへも

とどまれないどこにも

来たことのないどこかの半島

海のにおいする街に独り

なにもすることがない

きみがぼくを忘れたいま

吹けば飛びそうに軽くなってゆく

気持ちをどこかに置き忘れた

からっぽになった中身のない箱

しまう場所がない 片づけられない

ぼくはカフカの城にいた

蜃気楼の街を歩き

帰る道も消してしまった

きみに開けられた穴が

ふさがらない胸おさえて

吹けば飛びそうに軽くなってゆく

いのちは零れて乾いてしまった

からっぽになった真空の肺

冬の低気圧にへこまされた

生きている軽さに挑み

背筋伸ばして歩き出そうと

きみがぼくを忘れたいま

発売日:2006-12-06

歌手:ORIGINAL LOVE

作詞:田島貴男

作曲:田島貴男