音のないウタ-みとせのりこ

凍てつく薄氷(うすらい)の 窓の中

かすかに映る 幻影(かげ)ひとつ 罅割れて

軋む歯車が刻む記憶

抜けない棘 消えない声 凍る痛み

見上げた空

指をすり抜けてゆく 幾千の白い羽

巡り巡る 季節の風

空高く 舞い上がれ

廻り廻る 冬の欠片

僕の上 降り注げ

この世界を 埋め尽くし

虚ろに沈殿(しず)みゆく 胸の底

行く先のない 歪みだけ募らせた

軋む歯車が壊した月

癒えない罪 終わらぬ夜 枯れる祈り

砕けた天(そら)

時計の針が心を取り残して行く

巡り巡る 幻燈の環

空高く 舞い踊れ

廻り廻る 冬の花よ

僕の上 降り積もれ

この想いを 凍らせて

耳の奥をうずめてく 音のない鎮魂歌(ウタ)のように

巡り巡れ 天の鐘よ

空高く 鳴り響け

廻り廻れ 無垢の欠片

僕の上 降り注げ

巡り巡れ 天の使者よ

永遠に 降り続け

廻り廻れ 終の花よ

僕の上 降り積もれ

全てを今 永眠(ねむ)らせて

発売日:2009-10-20

歌手:みとせのりこ

作詞:みとせのりこ

作曲:HIR