赤瓦の屋根が並ぶ この町の 図書館に勤めて 三ヶ月(みつき)にもうなる あなたに是非見せたかった この町は 花が舞う一番きれいな時期です あなたに借りたまま 返す時を失くした この辞書を見つめて 書く手紙は きっと最後のものになるのでしょう あらたまって文字に する様な想い出 探してみると 少ないけど 石畳の坂が多い この町で いつの日か 私も嫁いで行くでしょう あなたもまた別な場所で 幸せを 見つけ出し楽しく 暮しているでしょう すべてが遅すぎる そんな時になったら この町に遊びに来て下さい きっと笑って会える事でしょう その時までこの辞書 借して下さい 想い出とって おきたいから やはりあなたは こない 日が暮れる 日が暮れる 静かに まっくらな まっくらな 一日 ただ一人 ただ一人 私は くちびるかむのです さむい雨に濡れて 帰る道は遠い そっと うしろみても やはりあなたは こない 雨が降る 雨が降る 四日も なにもかも なにもかも 悲しい 泣きながら 泣きながら 私は ねむりにつくのです 発売日:2003-10-22 歌手:チェリッシュ 作詞:さいとう大三 作曲:馬飼野俊一
あなたに借りたままの ロシア文学全集 はさみ込んでた 出さずじまいの あなたあての別れ文(ぶみ) アンナ・カレーニナにも 負けはしないこの愛 だけどあなたが望むなら 捨てましょうと……… あれから十何年 時のせせらぎの中 見おぼえのある うしろ姿を ふと見つけた歩道橋 淡い陽ざしを受けて 子供の手を引いていた 父と娘 長い影と短い影……… 学生時代なんて 恐さ知らずの季節 人生論を 熱い言葉で ぶつけてくる人だった あなたが貸してくれた 「カラマーゾフの兄弟」 読み通せないで 栞(しおり)を はさんだまま……… 二つの影が渡る たそがれの歩道橋 追い越しざまに 振り返ったら あなたのけだるげな顔 ギラギラしたあの目は どこに忘れてきたの おさな児(ご)がしがみついてる あなたの指……… おさな児(ご)がしがみついてる あなたの指……… 発売日:2012-10-03 歌手:由紀さおり 作詞:服部良一 作曲:藤公之介
私たち、これから 花道だけをいきましょう 人生は、ここから いいことばかり ありますように ねぇ、雨上がりの空は 失くした希望の色してる あなたに 借りたままの 傘をそっと 閉じましょう そう、何度叩いても 開(あ)かない扉はあるものよ こころの ドレス着替え 別のドアを 探しましょう 私たち、これから 花道だけをいきましょう つらかった、それ以上 いいことばかり ありますように さあ、重い荷物下ろし 両手で幸せ追いかけて 空へと 伸ばした指 夢のとんぼが 止まってる 私たち、これから 花道だけをいきましょう 人生は、ここから いいことばかり ありますように ありますように... 発売日:2022-01-12 歌手:キム・ヨンジャ 作詞:花岡優平 作曲:もりちよこ